間欠漏電を捉える
現場の困りごと

- 漏電ブレーカが動作した連絡を受け、調査したが正常だった
- 間欠漏電を疑うが、どの分岐回路で発生したかわからない
- 原因がわからないので、是正できない
GENNECT Crossで解決!
- 間欠漏れ電流が発生した時刻、終了した時刻、その大きさを記録できる
- 原因となる分岐回路を特定できる


単相回路における測定例
ここでは話を単純化するため、図のようなホーム分電盤のような小さな単相盤で説明します。
漏電ブレーカーが作動後、復電できることから、間欠漏電の疑いがあります。 しかし、どの分岐回路で発生したかわかりません。
そこで、GENNECT Crossのイベント記録機能を使って、問題となる分岐回路を絞り込みます。

- しきい値と記録時間をGENNECT Crossで設定する
まず、イベント記録機能のしきい値を決めます。イベント記録機能は、しきい値以上の漏れ電流が発生したとき、その開始時間、終了時間、漏れ電流の最大値を記録します。
イベント記録機能について詳しくは次のページを御覧ください。
しきい値を決めるために、次のような要素があります。
- 常時流れている漏れ電流を測定する。しきい値をその漏れ電流以下に設定すると、常にイベントが発生したことになりますので、正しく測定できません
- 漏電ブレーカーの仕様から判断する。定格感度電流、定格不動作電流、動作時間から、漏電ブレーカーの作動したときの漏れ電流の大きさを予想します。 それがイベントとして測定できるようにしきい値を決めます。 しきい値を小さく設定すると、漏電ブレーカーが作動しないような小さな漏電電流も記録できます
※ CM4001のイベント記録件数は、最大99件。CM4002, CM4003は999件です。
電池駆動の計測器ですので、少しでも長く測定できるように、次のことを確認してください。
- 新品の電池に交換する
- 測定が始まれば、Bluetooth®通信をオフにする。測定中は通信が必要なく、イベントデータは計測器本体に蓄えられます
※ CM4001の連続測定時間は約1日。CM4002とCM4003は約2日。CM4003はACアダプタでも駆動可能です。
- 計測器を設置する
サービスブレーカーの2次側には、CM4002またはCM4003(クランプセンサの径: φ40mm)を設置します。分岐回路には、センサの口径が小さいCM4001(φ24mm)を設置します。

- GENNECT Crossの「記録開始」ボタンをタップして、記録を開始する。
記録を開始しますと、計測器をGENNECT Crossに接続する必要はありません。 計測器のBluetooth®通信機能をオフにすると電池寿命が延びるので、記録時間が長くなります。
- 記録が終了したら、計測器をGENNECT Crossに再接続して、記録データを回収します
設定した記録時間が終了しますと、計測器は記録を停止します。 もしイベントデータを1件でも記録した計測器は、LCDのバックライトが赤色に光ります。
計測器のBluetooth®通信機能をオンにして、GENNECT Crossに接続します。計測器に記録されたイベントデータをGENNECT Crossで回収すると、すぐにグラフ表示されます。

今回使用した、4台の漏れ電流計で記録したイベントデータを、時間軸を合わせてグラフ化されます。 イベントデータ(発生時間、終了時間、最大電流)から、例えば次のようなことが考察でき、間欠漏電の原因追究に役立ちます。
- 漏電ブレーカーが作動した時間と、分岐回路Aで漏電を記録した時間が一致する。間欠漏電の原因は、分岐回路Aが疑わしい
- 分岐回路Bと分岐回路Cが同時に漏電が発生している。しかし、漏電ブレーカーは不動作領域だった。分岐回路BとCに相間関係がある、潜在的な問題があるかもしれない

それでも解決できない場合は電力計または波形記録計
もっと長期間測定したいときや、詳細に測定したいときは、従来通りの電力計や波形記録計を使用した測定となります。
CM4003は、波形や実行値を出力する機能がありますので、その出力信号を電力計や波形記録計で記録して、詳細な測定をできます。 また、ACアダプタで駆動しますので、長時間に亘る測定も安心です。

使用するGENNECT Crossの機能
対応計測器
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